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急峻な山を囲む幽谷の森を、縫うように流れるいくつもの渓流。
日本の名だたる設計者さえも投げ出しほどの険しい自然にッ囲まれた建設予定地に、
ロバート・トレント・ジョーンズJr.がはじめて訪れたとき、
「二度と巡りあうことのできない天与の地」と絶賛し、コースデザインを熱望したという。

ロバート・トレント・ジョーンズJr.の設計哲学は、「土地の声に耳を傾けること」。
もともとの地形を可能な限り生かし、絶妙の配置と独特の形状をみせるバンカー、フェアウェイのアンジュレーション。
戦略性をさらに高めるベントグラスの1グリーン。兵庫百景のひとつに数えられる「南池」をはじめ
大小数箇所の池、自然の姿をとどめたままの幾筋もの渓流が18ホールズ中16ホールズに絡む。

私たちコース設計家は自然の大地を醍醐味あるゴルフゲームの舞台に仕上げるのが仕事です。
そこには危険だが、成功すればスコアの報酬があるベストルートと、安全なパーやボギールートがあります。
どのルートを選ぶかは皆さんの技量と考え方しだいです。
コースを間にして攻撃する皆さんと守備する私が知恵比べをしているのですから、
「ゴルフは野外でするチェスゲーム」と考えられています。
さあ、次の一手(セカンドショット)を考えて、ティショットしてください。

オープン直前の仕上がったコースを見ながらジョーンズJr.は、
「思い描いた理想のコースが現実になった。信和ゴルフグループと私は、
世界レベルのトーナメントコースを造るという共通の目標を成し遂げたのだ。
ゴールデンバレーゴルフ倶楽部は世界的レベルのチャンピオンコース。
特にバックナイン最終3ホールの美しさと戦略性は、
私の作品の中でも秀逸。」と満面の笑みを湛え語ったという。

今やUSPGAのTPCを代表するトーナメント用のコースでは
 主流とも言える「スタジアム型設計」の手法を、
ジョーンズJr.は日本ではじめてゴールデンバレーに持ち込んだ。
グリーンの起伏の延長が周りを囲む大きなマウンドになり、
容易なリカバリーを許容しないだけではなく、トーナメントではそのまま天然芝の観覧席となる。
足裏に同じ芝生を踏みしめる一体感が、選手を鼓舞しギャラリーの歓声を感動に昇華させる。

開場して3年目の1990年、ゴールデンバレーゴルフ倶楽部は「三菱ギャラントーナメント」を迎える。
世界を転戦していた青木功がスケジュールを変更して帰国し参戦。
歴史に残るデッドヒートを制した青木功の優勝スコアが4日間1オーバーバーであったことや
「世界に通用するトーナメントコース」という青木の優勝コメントも話題を集め、
難攻不落のコースとしてゴールデンバレーゴルフ倶楽部の名は全国から注目を集めることとなる。
 

1990年 三菱ギャラントーナメント 優勝:青木功(+1)
1994年 PGAフィランスロビートーナメント 優勝:トッド・ハミルトン(-10)
2014年 第82回目日本プロゴルフ選手権大会日清カップヌードル杯